2017年2月10日金曜日

ティファニーをおそった思わぬ災難!?

 ニューヨークのトランプタワーの主、ドナルドトランプがアメリカ大統領になって以来、隣接するティファニーは思わぬ災難?に遭うことになった。

 大統領に就任を前に、このトランプタワーから、例のめちゃくちゃなツイートを発信するなど憎悪と分断をますますかき立てるトランプに対する抗議デモは全米に沸き起こり、タワーの前は大混乱。

警察とデモ参加者との衝突なども起こり、厳重な警戒が敷かれるようになってしまった。

そのタワーに隣接するティファニーにとって、この事態が営業に影響が無いわけがなく、売り上げは前年比10%以上も下落してしまった。 
何といっても映画“ティファニーで朝食を”の舞台となった同社の旗艦店にもかかわらず!です。
その結果、社長が辞任すると言う事態になってしまいました。正に災難と呼ぶべきでしょう。
Tiffany本店とTrump tower

やることなすこと、整合性も何もない「アメリカファースト」、いや正確には「自分ファースト」のトランプ。
でたらめな入国規制など周囲の混乱などなんとも思わず、娘のブランドの擁護までするに至ってはあいた口が塞がらない。どう考えてもアメリカの大統領がすることではない。

世界はこれからどいうい状況になるか? このままいけば社会の分断、経済の混乱、戦争・・・・・。などなど、ひどい時代になる、と思わざるを得ない。
ニュージーランドでは大富豪が究極のサバイバルの為の不動産購入が増えている様だ。
同様に携帯性、秘匿性、不変性の高い稀小ダイヤモンドも究極の資産として空前のブームとなっている。
Wall Street Journalにおいても投資ダイヤモンドの実情が紹介される等、その傾向は高まるばかりといえる。

2016年12月5日月曜日

美しいブルーダイヤモンドのリング

A marquise-cut, 4.29-carat, fancy vivid blue, internally flawless diamond ring fetched $11.8 million at the Magnificent Jewels sale. That translates into a price of $2.7 million per carat.
Rapaport Newsより

11月の香港におけるChristies のオークションで落札されたブルーダイヤモンドのリング。
4.29カラットでUS1180万ドル、$=¥113換算して13億3340万円、1カラット当たりの価格は3億51万円。
画像で見るように正に透き通るようなFancy vivid Blue,Internally Flawless の逸品です。

この日のオークションでは5カラット以上の天然グリーンダイヤモンドも出品され、ChowTaiFook が落札したようです。

ダイヤモンドの品質評価~世界のスタンダード

 ダイヤモンドジュエリー、とりわけ婚約リングには良質のダイヤモンドが使用されます。何といっても人生の大事な節目にふさわしく、一生の記念にする為です。
恐るおそる宝石店やデパートの売り場を訪れますと、店員さんが色々と説明をしながら商品を見せてくれます。
その時に必ずと言って良いほど説明が有るのがダイヤモンドの品質=言うならば価値を決める基準=についてです。
そう、皆さんもお聞きになった事がある、”4C”あるいは”4つのC"というものです。
1970年以降に、GIAシステムによる4つのCの概念は急速に普及し、今ではすべてがこの方式に従って取引のあらゆる段階で採用されています。


もっとも大事なものがCUT=カットグレード=です。
左のづにある様にダイヤモンドの全ての項目について検査をします。
このダイヤモンドが100%光を反射する理想的なカットとなっているかどうかを合理的に判断をし、真の重量を割り出します。
つまり、1.00カラットの重量が有っても理想的なカットにしたん場合は0.86カラットになってしまう、という事を検査により調べるのです。
その減点の度合いにより、ExcellentからPoorまでのランク付けをします。


 次にClarity=透明度を検査します。
ダイヤモンドの外部及び内部に有るクラック=かけやひび、内部にある不純物、これらの大きさや位置などを調べます。
もちろん理想的なものはこれらの傷や不純物が有ってはなりません。輝きに大きな影響を与えるからです。
美しさを犠牲にして大きさを優先させていることになるのです。
此れも程度により段階が付けられます
Flawless~Internal FlawlessからImperfect 3までのどれかの評価がされます。


  次にColor=無色からイエローまで=の度合いを調べます。
決められた環境=常に不変=のもと、基準になるマスターストンと比較しながら決定されます。
DiamondのDを最高としてアルファベットのZまでのどこかのレベルに決定されます。
 そして最後にCarat =重量=を測ります。
密室で1気圧の環境下に強固な土台の上に設置された精密な秤で測定されます。
1カラット=0.2gですが、測定では0.001カラット=0.0002gまでの単位まで測定されます。



これらの検査結果を基にGIAではDiamond Grading Report というものを、発行しています。

いわゆるGIAの鑑定書と呼ばれるものです。

このシステムは実に科学的合理的な為に、GIAで勉強し、Gこの技術をマスターしたGGにより、またたく間に取引の現場で適用されるようになりました。
そしてこのGIA方式=GIAシステム=を取り入れてダイヤモンドの鑑定書を発行する会社が世界中に数多く出現されたのです。
それらの鑑別所には必ず、次の様なコメントが記載されています。
「GIA基準に準じています」
つまり、GIAが検査したものではなく、あくまでGIA基準に準じたものですよ、ということです。
良く意味が分かりませんね。
GIAの4Cの基準にのっとって検査していますが、あくまで目安ですよ、ということですね。

さらに悪質な業者はこの品質を故意に底上げして、実際の品質以上の結果を表記することが行われ、日本も含めて世界中で告発されるようなこともあり、余りに悪質な業者は倒産した会社も有りますし、いまだに営業をしている所も有ります。

つまり、最高品質なダイヤモンドとしてよく目にする表記、
D-color
Flawless or Internally Flawless
Excellent Exceleent Excellent (Triple Ex)
というのが本当に信頼できるのはGIA発行のGrading Report以外にはない、という事なのです。
著名なオークションで落札される○○億円というダイヤモンドは例外なくこのGIAのGrading Reportが裏付けとして取られています。
そしてこのGIAは世界で最も倫理的企業として認定されている企業であり、アメリカの公正取引委員会やFBI、裁判所などから客観的な判断を必要とされる特には必ず指名される機関なのです。

つまり4CはGIAがGIAの基準により使用しているものですので、これ以外のものはあくまで”基準に準じたもの”ということであり、鑑別期間により差異が出る可能性があるので、最高の信頼はできない、あくまで“目安”にとどまってしまうからですね。

資産あるいは投資としてのダイヤモンドの保有を考えるとき、GIAのReportは必須のものですね。


不動産、金融商品、そして預貯金など、最近は国債のデフォルト、資産凍結(預金封鎖など)、課税の強化=遺産相続税など=がささやかれるようになり、個人の資産を守る為には今までの対策だけでは済まない、より多角化した対策が望まれる時代と言えるでしょう。
資産としてのダイヤモンドは今まさに世界のセレブの間では常識となっているのです。
1カラット以上の資産用ダイヤモンド~稀小ダイヤモンドの購入を検討されている方には、私の国際的ネットワークがお手伝い致します。
良質な稀小ダイヤモンドを世界のマーケットプライスでお届けするのが私の仕事です。
いつでもご連絡下さい。

2016年3月1日火曜日

ダイヤモンドのタイプと色



皆さんがご存じのように天然に産出するダイヤモンドのほとんど90%以上は、工業用の品質であり、残り僅かが宝石用の品質となります。
鉱山から掘り出された土砂4トントラック20台分からわずか1カラットほどの割合しか産出しない為、どこの産地も莫大な設備投資をし、大がかりな採掘をしなければなりません。1カラット以上の大きなダイヤモンドに至っては更に少ない確率でしか産出しません。
そのようにして採掘される現場では、稀に大きくて高品質或いは非常にきれいな色を持ったダイヤモンドが発見され、話題となります。

ダイヤモンドというものは、いったいどんなものなのか、何故、様々な色を持ったダイヤモンドがあるのか、
そんな疑問が湧くと思います。
これからお話しすることはその疑問に少しでもお答えできるものと思います。
ひいては間違いのないダイヤモンドを選ぶ為の一助となることを願っています。

ダイヤモンドは純粋に炭素Cのみで出来ている純粋な結晶であることはご存知の通りです。
しかしながら、そこに僅かな違いがあり、それにより輝きや色に差異が出来ていることは意外と知られていません。

実はダイヤモンドにはタイプ=型があるのです。
化学的に純粋かつ構造的に完璧なダイヤモンドは無色で完全に透明ですが、現実にはほとんどジェムサイズの天然ダイヤモンドは完璧ではありません。
純粋なダイヤモンドは完全に無色透明でありながら、格子間に不純物や構造欠陥を持つことにより着色の原因となります。(結晶に含まれるこれらの不純物が、光吸収に影響を与えることによります)
ダイヤモンドのタイプ赤外分光計により原子レベルで結晶格子の炭素原子、不純物などを測定、検出することにより決定するのです。


ダイヤモンドの色もこのタイプにより決まります。
ダイヤモンドのタイプは肉眼で見ても中々分りませんが、色は分ります。
そしてダイヤモンドは着色(色相と強度)の度合いに応じて、その価値が高まったり低くなったりします。
たとえば、ほとんどのホワイトダイヤモンドは黄色の色相がある場合、価格は安くなります
強烈なピンクやブルーダイヤモンド(例えばホープダイヤモンドなど)は劇的に価値が上がります
すべてのカラーダイヤモンドのうち、赤のダイヤモンドは最も稀で、有名なものは両手の指の数程、と言っても過言ではありません。
ダイヤモンドはスチールグレー、白、青、黄色、オレンジ、赤、緑、ピンク、紫色、茶色、黒など様々な色を持ちます。


この色はどうしてつくのか、
そこにはダイヤモンドのタイプというものが深く関わって来ます。
ダイヤモンドは科学的性質に応じて、2つの主要なタイプといくつかのサブタイプに分類されています
それでは、これからこのダイヤモンドのタイプ(型)と色についてお話しましょう。
 天然ダイヤモンドはしばしば単一の石の中に異なったタイプを持った混合物で、ダイヤモンドのタイプ(型)は、それらの化学的不純物のレベルや種類によって科学的に分類する方法です。

ダイヤモンドのタイプ
ダイヤモンドは結晶内に窒素を含むか否かにより2種類のタイプがあり、更にその中が2つのタイプに分類されます。つまり全部で
Ia
Ib
IIa
IIb
4種類に分けられす。

I型(窒素を含むタイプ)
I a型・・・窒素原子が集合体を作っているもの。大抵の無色から黄系(ケープ系)ダイヤモンドのがこれにあたり、最も産出の多いものです。
I b型・・・窒素原子が単独で存在しているもの。ファンシーインテンスイエローなどの濃い黄色系のダイヤモンドを生みます。

II型(窒素を含まないタイプ)
II a型・・・窒素やホウ素などの不純元素を含まない無色のダイヤモンドです。希少性が非常に高いタイプです。
II b型・・・不純元素としてホウ素を含むもの。電気を通す特異な性質を持ち、ファンシーブルーのダイヤモンドが属するタイプで有名です。希少性が非常に高いタイプです。

タイプIa及びIbは赤外吸収スペクトルにより決定することができます。
最も一般的なクラスのタイプIは一般的に不純物として0.1%の濃度で窒素を含んでいます。

Ia型ダイヤモンドは、すべて天然ダイヤモンドの約98%を占めています。
0.3%(3000 ppm)までの窒素不純物は、、炭素格子内比較的に広範囲にクラスター化し、この窒素クラスタの吸収スペクトルは青色光を吸収することによりダイヤモンドを淡黄色またはほぼ無色に見せるのです。
ほとんどのIaダイヤモンドはIAAIAB材料の混合物です。 これらのダイヤモンドは、以前から知られているダイヤモンドに富む領域にちなんで名付けられたケープシリーズに属し、南アフリカにあるケープ州に豊富に産出します。

Ia型ダイヤモンドは、N2N3窒素により強い415.5 nmの(N3)のメインバンドと弱くはあるが478 nmの(N2)、465nmで、452ナノメートル、435ナノメートル、423ナノメートルで吸収帯(ケープ・ラインを )を表示します
彼らはまたN3の窒素により長波長紫外線により、青色の蛍光を発します(N3は目に見える色を損なわない)
 ブラウン、緑、または黄色のダイヤモンドは504nmの吸収ラインを示します。時には、537 nmおよび495 nmの吸収ラインを伴うこともあります。
ブルーグレー色もIa型ダイヤモンドで発生し、ホウ素とは無関係な場合があります。

TypeaAは窒素原子がペアであり、 これらは、ダイヤモンドの色に影響を与えません。
TypeaBは窒素原子が偶数の集合体をなし、これらは、黄色から茶色の色合いをもたらします。

b型ダイヤモンドは全ての天然ダイヤモンドの約0.1%程しか産出せず非常に希少なものです。
 これらは、最大0.05%(500 ppmの)窒素を含むが、不純物がより拡散され、原子は結晶全体に分散されています。
そして窒素原子が、結晶全体に単独で存在(ペアリングまたはグループ化されていない)している場合は強烈な黄色または時折茶色の色合いを石に与えます(Ib型)。
希少なカナリアダイヤモンドはこのタイプに属し、天然ダイヤモンドのわずか0.1%を占めています。

(窒素を含むほとんどすべてのHPHT 合成ダイヤモンドは Ib型のものです)。

 彼らはまた、特徴的な蛍光性と可視吸収スペクトルを有します。
Typebダイヤモンドは青に加えて、緑色の光を吸収し、Ia型ダイヤモンドより強いまたはより暗い黄色や茶色の色を持っています。

ダイヤモンドは濃い黄色または時折茶色の色合いをもたらします。

タイプIIのダイヤモンドは、測定可能な窒素不純物がありません。 タイプIIのダイヤモンドは、タイプIのダイヤモンドとは異なり、赤外線の異なる領域で吸収し、225 nm以下の紫外線を透過します。
彼らはまた、異なる蛍光特性を持っていますが、識別可能な可視吸収スペクトルはありません。
結晶は形状が大きく、不規則でシャープな形で産出することが多く タイプIIダイヤモンドは、より長い期間非常に高い圧力下で形成されるのです
       
IIa型ダイヤモンドは、すべて天然ダイヤモンド(宝石ダイヤモンドの1.8%)の1から2パーセントを占めています。 これらのダイヤモンドは、ほとんどまたは完全に不純物を欠いていて、その結果、通常は無色であり、最高の熱伝導率を持っている

今年(2016年2月)になって、アフリカのアンゴラのLUCAPA鉱山(表沙鉱床)で発見され、話題となったダイヤモンドもこのタイプⅡaのものでした。
404.2カラット、Dカラー,Flawlessのこのダイヤモンドはアンゴラで発見された最大の大きさを持ち、1600万ドル(カラット当たり39,580 ドルで取引されたのです。
 
IIa型ダイヤモンドは結晶成長時の塑性変形が原因の構造異常により、ピンク、赤、または茶色に着色することができます
 します。IIa型ダイヤモンドはオーストラリアの生産の大部分を構成しています。
時折IIa型ダイヤモンドは、地球の表面に向かって押し出されている間、圧力および張力が成長時の塑性変形により四面体の結晶構造に不完全を生じさせ構造的異常を引き起こします
これらの欠陥が宝石に黄色、茶色、オレンジ、ピンク、赤、または紫色を付与したのです。
紫色のダイヤモンドは、結晶格子の歪みと高い水素含有量の組み合わせによって引き起こされます 
Typeaダイヤモンドは高圧高温(HPHT)プロセスによりその結晶の変形を「修理」し、ダイヤモンドの色の多くまたはすべてを削除することが出来ます。
タイプIIaダイヤモンドはオーストラリアの生産の大きな割合を構成しています。

現在はこのHPHT 処理されたダイヤモンドは刻印或いは鑑別により、厳しく管理され、消費者に告知することになっています。
CVDプロセスを用いて成長した合成ダイヤモンドは、典型的には、このタイプに属します。

IIb型ダイヤモンドは、すべての天然ダイヤモンドの約0.1%を占め、最も希少で高価な天然ダイヤモンドで優れた電導性を持っています。
 更にTypebダイヤモンドはTypeIIaと比べて窒素不純物は非常に低いレベルであり、代わりにホウ素不純物を豊富に含んでいます。 ホウ素の吸収スペクトルは、赤、オレンジ、黄光を吸収し、IIb型ダイヤモンドにライトブルーやグレーの色をもたらします。有名なものはホープダイヤモンドですね。最近ではJosephine of Bule Moonなどもこれにあたります。。
また低い量のホウ素の不純物は無色を示すこともあります。

*GIAラボ、ロシアのペテルスブルク企業が生産したHPHTによるブルーダイヤモンドを鑑別したと発表しました。
エメラルドカット、5.03カラットのタイプbとのことです。
また、HPHTにより作られた最大の研磨済み人工ダイヤモンドは10.02カラット、Eカラー、VS1の品質を持つもので、2015年に香港のIGIにより報告されています。    

天然ブラックダイヤモンドは、グラファイトなどの他の材料の微視的な黒またはグレーの介在物または硫化物および/または顕微鏡的亀裂によりによって引き起こされます。最近は放射線処理されたブラックダイヤモンドが安価に市場に多く出回っていますが、これらの多くは工業品質のダイヤモンドを処理したものです。

 少し難しいお話になってしまいましたが、ダイヤンモンドには色々な種類があるんだ,ということはおわかり頂けたのではないでしょうか。
そして、大きくて品質の良いもの、ファンシーカラーダイヤモンドなどが以下に希少なものであるか、ということはご理解いただけたと思います。
 現代は様々な方法で人工的にダイヤモンドが生産される時代です。また、様々な方法で天然ダイヤモンドに処理が施され、市場に出回っています。
ダイヤモンドに携わる業界はこぞってそれらの技術革新に対処する努力をし、情報の開示に努めています。健全なる宝石市場を守り、消費者の信頼を裏切らない為に頑張ってほしいと思います。