2015年も残すところあと僅かになりました。
今年のダイヤモンドをめぐる動きはどうだったでしょうか。
ダイヤモンドは、インドから始まり、ブラジル、アフリカ、ロシア、オーストラリア、そしてカナダと世界各地で産出されるようになりました。中国でも産出されています。
インドで発見されて以来、その魅力は世界のセレブに愛され、デビアスの卓越したマーケティングにより、今や世界中の女性にとって手に届くものになったのです。
そんなダイヤモンドですが、このビジネスに携わる業界にとっては厳しい年となったようです。
とりわけダイヤモンド鉱山を所有する会社、原石を扱う企業、研磨し、販売する企業は、
大変でした。
原石の販売価格が研磨済みのダイヤモンド価格の相場より高いという現実に、ビジネスは非常に難しいものとなり、空前の原石産出量にも関わらず、販売額や大幅な利益の減少を余儀なくされてしまいました。
また、中国本土での小売販売額も一時のようではなく、進出した大手小売チェーンなども売上、利益を大きく下げています。
しかし、これらのことは今に始まったことではなく、いままで何度も経験してきたことであり、紆余曲折はあれ、いずれ解決することでしょう。
一般的なダイヤモンドに関して言えば、あまりぱっとしなかった2015年ですが、それと
は別格の特別なダイヤモンドのニュースは嘗て無いほどのビッグニュースが相次いだのです。このことについては、改めて「2015年の希少ダイヤモンド」ということで書いてみたいと思います。
2015年は、
1)新たな合成ダイヤモンドと市場への浸透、鑑別機関への挑戦
2)巧妙な着色ダイヤモンドとその着色方法
3)EGLによるダイヤモンド品質証明(鑑定)書問題
4)テロや独裁国家の資金源になっている「血のダイヤモンド」~キンバレープロセスの問題
5)GIAがハッキングされ1000以上の鑑定書が不法に使用されたこと
などが印象に残った出来事でした。
2016年の世界はどうなっていくのでしょうか。
古くからある宗教に根差した対立、民族対立、過激主義ISなどの台頭、国粋主義、アナクロニズム的な指導者の台頭、先進諸国での国家財政の悪化、益々酷くなる異常気象、拡大する貧富の差=一握りの富豪と大多数の貧者=、など世界はいま大変な時代の真っただ中にあると言えるでしょう。
グローバル化した世界であるいま、何事であれ影響されずに済むことはあり得ません。
2016年は大変な年になるという意見もあり、多くの本も出版されています。
そんな世界の動向を見ているのでしょうか、中国の富豪は競って海外へ資産を移し、安全なドルや不動産、絵画や骨董、そして希少ダイヤモンドなどを購入しています。この傾向は中国人にとどまりませんでした。
オークションは空前の活況を呈し、落札額も空前のものとなったのは、まさにその証と言えるでしょう。
一般庶民はその日の暮らしに精いっぱいというのに、まさにどこの国の話?と言いたくなりますが、これが現実なのです。
国が破綻し、ハイパーインフレが起きた時、紙幣はただの紙切れになってしまいます。
その時、土地があり、家があり、食料が自給できるならば、何とか生きて行くことはできるでしょう。預金や株券、国債、全てあてになりません。頼りになるのは「現物 」ということです。
今年を振り返りながら、余裕のある方は「資産としてのダイヤモンド」ということも、少し検討することも悪くないことと思います。
Diamond is a girl's best Friend という歌があります。でも Diamond is a your better friend なのかもしれませんよ。
こんなこともありました。
1960年にUS$5400で購入したVanCleef & Apelのダイヤモンド3.91ct+0.63ct+0.15ct=の
ネックレスを現在の価格に評価してみたら、なんとUS$125,000、実に21倍になった、とのことです。 半世紀の間に21倍、これってどう考えれば良いのでしょうか?
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