2015年6月4日木曜日

賢明な投資

前回に触れたように、ダイヤモンドへの投資は難しい面が多々あるものの、それ以上に

1)ダイヤモンド自体の安全性や価格の安定性、
2)インフレ率を上回る確実な値上がり、
3)そして今後益々希少となること、
4)更に将来的には流動性を担保する確固とした市場の形成が見込まれること

などから、特に1カラット以上の高品質ダイヤモンドに関しては投資対象として大変に重要なポジションを占めることができるものと思われます。

以下、このことを裏付ける最新のデータなどを紹介します。
繰り返しますが、これまで述べたようなダイヤモンド投資に対する不透明性などの課題に対処するための取り組みが続けられています。
ダイヤモンドの価格指数の作成を加速させ、透明で流動性のある流通市場を設定することがダイヤモンドのための投資需要を刺激するための鍵となります。

では、ダイヤモンド産出の状況はどうでしょうか。
ダイヤモンド原石の生産は2013年に1.3億カラットに達しました。宝石品質のダイヤモンドで研磨された重量は約25万カラットでした
ほぼダイヤモンド原石産出量の20%。 原石の一部55000000から65000000カラット生産は、工業用グレードに分類され、残りの50000000カラットが研磨工程で失われました



研磨された宝石用ダイヤモンドのなかで1カラット以上の大きな石は研磨ダイヤモンドの約10%で非常に稀です
しかし、その価値は研磨ダイヤモンド値の約35%を占めました。3カラット以上の石は更に希少で2%未満となります

主要な高級小売業者は、これらの主な購入者です
特に高い透明度と無色の大きな石は、益々希少であり、入手も困難で値上がりしています。

これら全体の5%に満たない希少ダイヤモンドは過去10年間で150%上昇し、市場全体での価格の成長を歴史的にアウトパフォームしています
1.00から2.99カラットのダイヤモンドは120%増、市場全体では60%値上がりしています。


そして、今後のダイヤモンドの需給を見てみますと明らかに需要が供給を上回ることが予測されています。
 これは中国やインドなどの国の需要がこれからも爆発的に増加していくこと、BRICKSなどそれ以外の国やアフリカでも経済の発展により同様なことが起こるであろうことが、今までの経験上十分に予測できるからです。
銀や金、プラチナなどのメタル資源の価格は、非常に乱高下を繰り返してきましたが、ダイヤモンドは常に安定してインフレ率以上の値上がりをしてきました。
投機色の濃いメタル類、投機性はない代わりに確実なリターンを得られるダイヤモンド、といったところでしょうか。
その中でも過去10年間で希少ダイヤモンドは 150%(2.5倍)の値上がりをしているのです。
ここに投資としてのダイヤモンドの魅力があるとは思いませんか?

課題であるダイヤモンド業界が抱える諸々の問題=その価格や流通の透明性や信頼性などを高めることにより、今後ダイヤモンドへの投資を考える人は急速にすそ野を広げて行くことでしょう。
そのための方策は
1)銀行に彼らのビジネスでより多くの自信を与えるために彼らの在庫評価の信頼性や客観性を高めること。
2)報告の透明性を報告し、デビアスがサイトホルダーのグループを選択する際に実施するような国際財務報告基準を採用することによって信頼性を高め、堅実な取引市場を開いていくことができます。
それは、それほど遠い将来とは思えません。業界の健全なる発展の為に、必要なことだからです。
今、様々な障害があるとしても、将来それらの問題が解決される見通しがあるのであれば、投資用に値するダイヤモンドを保有することは、非常に安心で価値のあることと賢明なる読者の方はお気づきのことと思います。

現状では取引市場は閉ざされているようなものですから、短期的な取引によるリターンを得ることは一般の方には至難の業ですが、中長期的な保有によるメリットは大きなものがあるのです。
すでに海外のほとんどの資産家が保有し、今年もサザビーズなどのオークションで記録的な高値で落札されていることは改めてお伝えする必要もないほど、喧伝されています。
Emerald cyt Diamond 100.20 carat   D,IF. TypeⅡa



そしてなんといっても金やプラチナと根本的に異なるのは、その圧倒的な「美しさ」,
そして「携帯性」ですね。








2015年6月3日水曜日

投資対象としてのダイヤモンド


投資としてのダイヤモンドの需要はダイヤモンド全体の5%未満と低く、非常に限られたものと推定されます。

因みに金(GOLD)は流通のおよそ20%、プラチ(PLATINUM)は10%程度が投資用として取引されています。





貴金属類に投資する人たちの目的は、何といっても資産の保全が主目的です。それは資産の目減りを防ぎ、価格の上昇を期待して有利なリターンを得るためです。リーマンショック後ノ金融危機以降は特にヘッジ指向の投資家による金への投資が価格の上昇に影響を与えていると思われます。

ダイヤモンドへの投資需要は総需要の5%程度ですが、今後成長の可能性は非常に高いものがあります。

研磨済みダイヤモンドの価格は、銀、金、プラチナやその他いくつかの商品よりも価格が安定していますが、得られるリターンも低いのが現状です。

2009年からの価格の変動率を比較してみましょう。
 
 価格の変動率は以下の通りです。

      銀       33%
     金       19%
     Pt         13%
          ダイヤモンド 12%   

2009年からのダイヤモンド価格変動は12%で、銀はその2.8倍、1.6倍の金、1.1倍のプラチナとなりました。


ダイヤモンドは5%の年率で毎年価格が上昇していますし、特定の=希少脱脂やモンドなど=ダイヤモンドに関しては更に高い上昇率を示しています。これはその間のインフレ率2%を上回っています。それと同時にダイヤモンドの価格は金やプラチナなどに比して非常に安定しているのが特徴です。

2009年から2014年の収益率は次の通りです。
 インフレ率  2% 
 銀     10%
  Pt     10%
 金      8%     
 ダイヤモンド 6%
 






これらのデータから分ることがあります。
1)ダイヤモンドの価格は金などの他の商品と比べて乱高下の幅が狭い、というか安定している。
2)価格は毎年確実に上昇している。
3)価格の上昇率は他のものと比較して低い。

つまり、安定して確実なリターンが得られるということになります。なをかつ、非常に美しく、希少なものであるという特徴を持っています。

では、ダイヤモンドは堅実な投資対象として十分な特質をもっているかというとそうも言えません。それは、

1)誰もが売買できる市場がないこと=流動性に乏しいこと
2)工業製品と違い同じものが存在しないこと
3)工業製品と違い品質が全て違うこと
4)誰もが納得できる評価のスタンダードの不統一
5)専門家でないと品質の評価が難しいこと
6)流通が複雑で価格が不透明であること 
7)売買に手間と時間を要すること

などの問題があるからです。
次回このことも踏まえて更に投資ダイヤモンドについて検証していくことにします。




ダイヤモンド最新動向(2)~2013



(8) 研磨(Cut & Polishing)の地域別シェアとコスト(1カラット当たり)の状況

    研磨シェア

    2013年のダイヤモンドの原石研磨主要地域の状況は、前年に比して全体で4%の伸びを記録しました。
しかしながらその内容を見てみると、インド以外のちいきの生産は軒並み前年を下回っています。
量においてもインドは世界全体の生産の50%以上をしめていて、今後も更に伸びて行くものと思われます。
研磨における地域別のシェアは、1位がインドで12%の伸び、2位が中国&南アフリカですが前年比の伸びはー6%、3位がアフリカ(Nambia & Botswana)でー12%の下落,そして4位がその他(ロシア、ベルギー、ニューヨーク、イスラエル)でー2%となっています。
グラフは地域別の研磨の伸長率(2012年比)を表したものです。 




今やダイヤモンドの研磨・流通に関してインドはガリバーのよな巨大な存在であることが、改めて見てとれます。

    研磨コストの比較
 研磨コストにおいてもインドは圧倒的に勝っています。豊富な労働力と安いコストを活用して、世界のジュエリー用ファイヤモンドの生産において圧倒的なシェアを持っています。
グラフは地位k別の生産コストを比較したものです。
たとえばニューヨークでは、1カラット当たりの研磨(Cut & Polishing)にかかるコストは、
US$100200ドル、単純平均して150ドルであることを表しています。  


NewYorkBelgiumのコストは非常に高くかつ生産量が低いのは、産出量が極めて少ない大粒で高品質のダイヤモンドの研磨をしている為です。
これらの原石を磨くには、熟練し、卓越した技術と豊富な経験が無ければ出来ないのです。
ロシアは世界一のダイヤモンド産出国ですが、研磨に関してはそのシェアは非常に低い位置を占めています。しかし、算出する高品質のダイヤモンドも磨いている関係でコストは高い部類に入ります。イスラエルは個品質から一般ジュエリー用のものまで幅広く研磨しています。

次回はいよいよ投資用ダイヤモンドの動向などについての分析をアップロードします。