今年、世界をあっとさせたダイヤモンドのニュースをピックアップしてみました。
1) ナノサイズのダイヤモンド発見~カリフォルニアに落ちた隕石に含まれていたもの
宇宙にはダイヤモンドがごろごろ・・・?
2) 9.75ct Pear Shape, Fancy Vivid Blueのダイヤモンドはオークション開始後僅か20分で3260万ドル(39億円)で落札 HKGのクリスティーズ
3) 2.09ct Heart Shape, Fancu Red は500万ドルで落札 HKGのクリスティーズ
4) 100.2ct Emerald Cut D-color,IF NYのサザビーズ 2210万ドルで落札
5) 23.15ct D,IF TypeⅡa 伝説のゴルコンダ ダイヤモンド
6) 77.79ct Vivid Yellow, VS2
7) 341.90ct TypeⅡa 類まれな色と透明度を持つ原石の発見 LucaraのKarowe鉱山
8) 336ct TypeⅡa と184.94ct、そして86ctの原石が相次いで発見。BotswanaのLucaraのKarowe鉱山
9) 357ct White, 314ctの原石が相次いで発見 LesothoのLetseng Mine.
2個ともアントワープの業者に販売された。 357ctは1900万ドル
この鉱山では今年に入り20個もの大きな原石が採掘されている。
10) 91.81ct、Intense Yellow,VS2. Cushion cut. 430万ドルで落札
11) 50.48ct、D,IF, Pear Shape 780万ドルで落札
12) 12.03ct Vivid Blue, Fl, Cushion Cut ジュネーブのサザビーズのオークションで4850万ドルで落札。1カラット当たりの価格は史上最高を記録。
落札者により、「Blue Moon of Josephine」と命名された。
13) 同時にクリスティーズのオークションで16.08ct、Fancy Vivid Pink,VVS2が2850万ドルで落札。落札者により、「Sweet Jpsephine」と命名された。
因みに、12)と13)の落札者は同一人物(個人)で香港で一番の大富豪、Mr,Jpseph Lau. 愛する一番下の娘(まだ小学生です)の為に購入し、いずれのダイヤモンドにも娘の名前を冠した。
興味ある方は、ネットで検索をお勧めします。
あなたもこんな方の子供に生まれたかったって? ホントですね。
14) カナダのRio Tinto社の所有する鉱山からカナダで採掘されたものの中で最大の大きさのダイヤモンド原石が採掘され、「Diavik Foxfire」と命名された。
15) BotsuwanaのKarowe鉱山でカリナンに次ぐ、史上2番目の大きなダイヤモンド原石が採掘された。大きさは1111ct、TypeⅡa 65x56x40mmのサイズ。
1905年の発見された(!)カリナン3,106ctに次ぐ大きさのものでした。
この週には、BotswanaのLukaraで813ctの原石も採掘されました、これは史上6番目の大きなダイヤモンドです。
カリナンが発見された伝説のKImberley Mineは今年、DeBeers社が手放すことになりました。有名な[Big Hole]、伝説の「Cesil Rohdes」など、ダイヤモンドを象徴する数々の逸話に富んだ鉱山ですが、鉱山としての寿命は長くても2020年ころまでということです。
以上、今年のRare Diamond,Big Stone.をピックアップして掲載しました。
類まれな品質、大きさ、価格に圧倒される思いですが、これらのダイヤモンドはこれからも人類の貴重な遺産として、大富豪により継承されていくことでしょう。
2015年12月24日木曜日
2015年12月22日火曜日
2015年のトピック
2015年も残すところあと僅かになりました。
今年のダイヤモンドをめぐる動きはどうだったでしょうか。
ダイヤモンドは、インドから始まり、ブラジル、アフリカ、ロシア、オーストラリア、そしてカナダと世界各地で産出されるようになりました。中国でも産出されています。
インドで発見されて以来、その魅力は世界のセレブに愛され、デビアスの卓越したマーケティングにより、今や世界中の女性にとって手に届くものになったのです。
そんなダイヤモンドですが、このビジネスに携わる業界にとっては厳しい年となったようです。
とりわけダイヤモンド鉱山を所有する会社、原石を扱う企業、研磨し、販売する企業は、
大変でした。
原石の販売価格が研磨済みのダイヤモンド価格の相場より高いという現実に、ビジネスは非常に難しいものとなり、空前の原石産出量にも関わらず、販売額や大幅な利益の減少を余儀なくされてしまいました。
また、中国本土での小売販売額も一時のようではなく、進出した大手小売チェーンなども売上、利益を大きく下げています。
しかし、これらのことは今に始まったことではなく、いままで何度も経験してきたことであり、紆余曲折はあれ、いずれ解決することでしょう。
一般的なダイヤモンドに関して言えば、あまりぱっとしなかった2015年ですが、それと
は別格の特別なダイヤモンドのニュースは嘗て無いほどのビッグニュースが相次いだのです。このことについては、改めて「2015年の希少ダイヤモンド」ということで書いてみたいと思います。
2015年は、
1)新たな合成ダイヤモンドと市場への浸透、鑑別機関への挑戦
2)巧妙な着色ダイヤモンドとその着色方法
3)EGLによるダイヤモンド品質証明(鑑定)書問題
4)テロや独裁国家の資金源になっている「血のダイヤモンド」~キンバレープロセスの問題
5)GIAがハッキングされ1000以上の鑑定書が不法に使用されたこと
などが印象に残った出来事でした。
2016年の世界はどうなっていくのでしょうか。
古くからある宗教に根差した対立、民族対立、過激主義ISなどの台頭、国粋主義、アナクロニズム的な指導者の台頭、先進諸国での国家財政の悪化、益々酷くなる異常気象、拡大する貧富の差=一握りの富豪と大多数の貧者=、など世界はいま大変な時代の真っただ中にあると言えるでしょう。
グローバル化した世界であるいま、何事であれ影響されずに済むことはあり得ません。
2016年は大変な年になるという意見もあり、多くの本も出版されています。
そんな世界の動向を見ているのでしょうか、中国の富豪は競って海外へ資産を移し、安全なドルや不動産、絵画や骨董、そして希少ダイヤモンドなどを購入しています。この傾向は中国人にとどまりませんでした。
オークションは空前の活況を呈し、落札額も空前のものとなったのは、まさにその証と言えるでしょう。
一般庶民はその日の暮らしに精いっぱいというのに、まさにどこの国の話?と言いたくなりますが、これが現実なのです。
国が破綻し、ハイパーインフレが起きた時、紙幣はただの紙切れになってしまいます。
その時、土地があり、家があり、食料が自給できるならば、何とか生きて行くことはできるでしょう。預金や株券、国債、全てあてになりません。頼りになるのは「現物 」ということです。
今年を振り返りながら、余裕のある方は「資産としてのダイヤモンド」ということも、少し検討することも悪くないことと思います。
Diamond is a girl's best Friend という歌があります。でも Diamond is a your better friend なのかもしれませんよ。
こんなこともありました。
1960年にUS$5400で購入したVanCleef & Apelのダイヤモンド3.91ct+0.63ct+0.15ct=の
ネックレスを現在の価格に評価してみたら、なんとUS$125,000、実に21倍になった、とのことです。 半世紀の間に21倍、これってどう考えれば良いのでしょうか?
今年のダイヤモンドをめぐる動きはどうだったでしょうか。
ダイヤモンドは、インドから始まり、ブラジル、アフリカ、ロシア、オーストラリア、そしてカナダと世界各地で産出されるようになりました。中国でも産出されています。
インドで発見されて以来、その魅力は世界のセレブに愛され、デビアスの卓越したマーケティングにより、今や世界中の女性にとって手に届くものになったのです。
そんなダイヤモンドですが、このビジネスに携わる業界にとっては厳しい年となったようです。
とりわけダイヤモンド鉱山を所有する会社、原石を扱う企業、研磨し、販売する企業は、
大変でした。
原石の販売価格が研磨済みのダイヤモンド価格の相場より高いという現実に、ビジネスは非常に難しいものとなり、空前の原石産出量にも関わらず、販売額や大幅な利益の減少を余儀なくされてしまいました。
また、中国本土での小売販売額も一時のようではなく、進出した大手小売チェーンなども売上、利益を大きく下げています。
しかし、これらのことは今に始まったことではなく、いままで何度も経験してきたことであり、紆余曲折はあれ、いずれ解決することでしょう。
一般的なダイヤモンドに関して言えば、あまりぱっとしなかった2015年ですが、それと
は別格の特別なダイヤモンドのニュースは嘗て無いほどのビッグニュースが相次いだのです。このことについては、改めて「2015年の希少ダイヤモンド」ということで書いてみたいと思います。
2015年は、
1)新たな合成ダイヤモンドと市場への浸透、鑑別機関への挑戦
2)巧妙な着色ダイヤモンドとその着色方法
3)EGLによるダイヤモンド品質証明(鑑定)書問題
4)テロや独裁国家の資金源になっている「血のダイヤモンド」~キンバレープロセスの問題
5)GIAがハッキングされ1000以上の鑑定書が不法に使用されたこと
などが印象に残った出来事でした。
2016年の世界はどうなっていくのでしょうか。
古くからある宗教に根差した対立、民族対立、過激主義ISなどの台頭、国粋主義、アナクロニズム的な指導者の台頭、先進諸国での国家財政の悪化、益々酷くなる異常気象、拡大する貧富の差=一握りの富豪と大多数の貧者=、など世界はいま大変な時代の真っただ中にあると言えるでしょう。
グローバル化した世界であるいま、何事であれ影響されずに済むことはあり得ません。
2016年は大変な年になるという意見もあり、多くの本も出版されています。
そんな世界の動向を見ているのでしょうか、中国の富豪は競って海外へ資産を移し、安全なドルや不動産、絵画や骨董、そして希少ダイヤモンドなどを購入しています。この傾向は中国人にとどまりませんでした。
オークションは空前の活況を呈し、落札額も空前のものとなったのは、まさにその証と言えるでしょう。
一般庶民はその日の暮らしに精いっぱいというのに、まさにどこの国の話?と言いたくなりますが、これが現実なのです。
国が破綻し、ハイパーインフレが起きた時、紙幣はただの紙切れになってしまいます。
その時、土地があり、家があり、食料が自給できるならば、何とか生きて行くことはできるでしょう。預金や株券、国債、全てあてになりません。頼りになるのは「現物 」ということです。
今年を振り返りながら、余裕のある方は「資産としてのダイヤモンド」ということも、少し検討することも悪くないことと思います。
Diamond is a girl's best Friend という歌があります。でも Diamond is a your better friend なのかもしれませんよ。
こんなこともありました。
1960年にUS$5400で購入したVanCleef & Apelのダイヤモンド3.91ct+0.63ct+0.15ct=の
ネックレスを現在の価格に評価してみたら、なんとUS$125,000、実に21倍になった、とのことです。 半世紀の間に21倍、これってどう考えれば良いのでしょうか?
2015年6月4日木曜日
賢明な投資
前回に触れたように、ダイヤモンドへの投資は難しい面が多々あるものの、それ以上に
1)ダイヤモンド自体の安全性や価格の安定性、
2)インフレ率を上回る確実な値上がり、
3)そして今後益々希少となること、
4)更に将来的には流動性を担保する確固とした市場の形成が見込まれること
などから、特に1カラット以上の高品質ダイヤモンドに関しては投資対象として大変に重要なポジションを占めることができるものと思われます。
以下、このことを裏付ける最新のデータなどを紹介します。
繰り返しますが、これまで述べたようなダイヤモンド投資に対する不透明性などの課題に対処するための取り組みが続けられています。
ダイヤモンドの価格指数の作成を加速させ、透明で流動性のある流通市場を設定することがダイヤモンドのための投資需要を刺激するための鍵となります。
では、ダイヤモンド産出の状況はどうでしょうか。
ダイヤモンド原石の生産は2013年に1.3億カラットに達しました。宝石品質のダイヤモンドで研磨された重量は約25万カラットでした
ほぼダイヤモンド原石産出量の20%。 原石の一部55000000から65000000カラット生産は、工業用グレードに分類され、残りの50000000カラットが研磨工程で失われました
研磨された宝石用ダイヤモンドのなかで1カラット以上の大きな石は研磨ダイヤモンドの約10%で非常に稀です
しかし、その価値は研磨ダイヤモンド値の約35%を占めました。3カラット以上の石は更に希少で2%未満となります
主要な高級小売業者は、これらの主な購入者です
特に高い透明度と無色の大きな石は、益々希少であり、入手も困難で値上がりしています。
これら全体の5%に満たない希少ダイヤモンドは過去10年間で150%上昇し、市場全体での価格の成長を歴史的にアウトパフォームしています
1.00から2.99カラットのダイヤモンドは120%増、市場全体では60%値上がりしています。
そして、今後のダイヤモンドの需給を見てみますと明らかに需要が供給を上回ることが予測されています。
これは中国やインドなどの国の需要がこれからも爆発的に増加していくこと、BRICKSなどそれ以外の国やアフリカでも経済の発展により同様なことが起こるであろうことが、今までの経験上十分に予測できるからです。
銀や金、プラチナなどのメタル資源の価格は、非常に乱高下を繰り返してきましたが、ダイヤモンドは常に安定してインフレ率以上の値上がりをしてきました。
投機色の濃いメタル類、投機性はない代わりに確実なリターンを得られるダイヤモンド、といったところでしょうか。
その中でも過去10年間で希少ダイヤモンドは 150%(2.5倍)の値上がりをしているのです。
ここに投資としてのダイヤモンドの魅力があるとは思いませんか?
課題であるダイヤモンド業界が抱える諸々の問題=その価格や流通の透明性や信頼性などを高めることにより、今後ダイヤモンドへの投資を考える人は急速にすそ野を広げて行くことでしょう。
そのための方策は
1)銀行に彼らのビジネスでより多くの自信を与えるために彼らの在庫評価の信頼性や客観性を高めること。
2)報告の透明性を報告し、デビアスがサイトホルダーのグループを選択する際に実施するような国際財務報告基準を採用することによって信頼性を高め、堅実な取引市場を開いていくことができます。
それは、それほど遠い将来とは思えません。業界の健全なる発展の為に、必要なことだからです。
今、様々な障害があるとしても、将来それらの問題が解決される見通しがあるのであれば、投資用に値するダイヤモンドを保有することは、非常に安心で価値のあることと賢明なる読者の方はお気づきのことと思います。
現状では取引市場は閉ざされているようなものですから、短期的な取引によるリターンを得ることは一般の方には至難の業ですが、中長期的な保有によるメリットは大きなものがあるのです。
すでに海外のほとんどの資産家が保有し、今年もサザビーズなどのオークションで記録的な高値で落札されていることは改めてお伝えする必要もないほど、喧伝されています。
そしてなんといっても金やプラチナと根本的に異なるのは、その圧倒的な「美しさ」,
そして「携帯性」ですね。
1)ダイヤモンド自体の安全性や価格の安定性、
2)インフレ率を上回る確実な値上がり、
3)そして今後益々希少となること、
4)更に将来的には流動性を担保する確固とした市場の形成が見込まれること
などから、特に1カラット以上の高品質ダイヤモンドに関しては投資対象として大変に重要なポジションを占めることができるものと思われます。
以下、このことを裏付ける最新のデータなどを紹介します。
繰り返しますが、これまで述べたようなダイヤモンド投資に対する不透明性などの課題に対処するための取り組みが続けられています。
ダイヤモンドの価格指数の作成を加速させ、透明で流動性のある流通市場を設定することがダイヤモンドのための投資需要を刺激するための鍵となります。
では、ダイヤモンド産出の状況はどうでしょうか。
ダイヤモンド原石の生産は2013年に1.3億カラットに達しました。宝石品質のダイヤモンドで研磨された重量は約25万カラットでした
ほぼダイヤモンド原石産出量の20%。 原石の一部55000000から65000000カラット生産は、工業用グレードに分類され、残りの50000000カラットが研磨工程で失われました
研磨された宝石用ダイヤモンドのなかで1カラット以上の大きな石は研磨ダイヤモンドの約10%で非常に稀です
しかし、その価値は研磨ダイヤモンド値の約35%を占めました。3カラット以上の石は更に希少で2%未満となります
主要な高級小売業者は、これらの主な購入者です
特に高い透明度と無色の大きな石は、益々希少であり、入手も困難で値上がりしています。
これら全体の5%に満たない希少ダイヤモンドは過去10年間で150%上昇し、市場全体での価格の成長を歴史的にアウトパフォームしています
1.00から2.99カラットのダイヤモンドは120%増、市場全体では60%値上がりしています。
そして、今後のダイヤモンドの需給を見てみますと明らかに需要が供給を上回ることが予測されています。
これは中国やインドなどの国の需要がこれからも爆発的に増加していくこと、BRICKSなどそれ以外の国やアフリカでも経済の発展により同様なことが起こるであろうことが、今までの経験上十分に予測できるからです。
銀や金、プラチナなどのメタル資源の価格は、非常に乱高下を繰り返してきましたが、ダイヤモンドは常に安定してインフレ率以上の値上がりをしてきました。
投機色の濃いメタル類、投機性はない代わりに確実なリターンを得られるダイヤモンド、といったところでしょうか。
その中でも過去10年間で希少ダイヤモンドは 150%(2.5倍)の値上がりをしているのです。
ここに投資としてのダイヤモンドの魅力があるとは思いませんか?
課題であるダイヤモンド業界が抱える諸々の問題=その価格や流通の透明性や信頼性などを高めることにより、今後ダイヤモンドへの投資を考える人は急速にすそ野を広げて行くことでしょう。
そのための方策は
1)銀行に彼らのビジネスでより多くの自信を与えるために彼らの在庫評価の信頼性や客観性を高めること。
2)報告の透明性を報告し、デビアスがサイトホルダーのグループを選択する際に実施するような国際財務報告基準を採用することによって信頼性を高め、堅実な取引市場を開いていくことができます。
それは、それほど遠い将来とは思えません。業界の健全なる発展の為に、必要なことだからです。
今、様々な障害があるとしても、将来それらの問題が解決される見通しがあるのであれば、投資用に値するダイヤモンドを保有することは、非常に安心で価値のあることと賢明なる読者の方はお気づきのことと思います。
現状では取引市場は閉ざされているようなものですから、短期的な取引によるリターンを得ることは一般の方には至難の業ですが、中長期的な保有によるメリットは大きなものがあるのです。
すでに海外のほとんどの資産家が保有し、今年もサザビーズなどのオークションで記録的な高値で落札されていることは改めてお伝えする必要もないほど、喧伝されています。
Emerald cyt Diamond 100.20 carat D,IF. TypeⅡa |
そしてなんといっても金やプラチナと根本的に異なるのは、その圧倒的な「美しさ」,
そして「携帯性」ですね。
2015年6月3日水曜日
投資対象としてのダイヤモンド
投資としてのダイヤモンドの需要はダイヤモンド全体の5%未満と低く、非常に限られたものと推定されます。
因みに金(GOLD)は流通のおよそ20%、プラチ(PLATINUM)は10%程度が投資用として取引されています。
貴金属類に投資する人たちの目的は、何といっても資産の保全が主目的です。それは資産の目減りを防ぎ、価格の上昇を期待して有利なリターンを得るためです。リーマンショック後ノ金融危機以降は特にヘッジ指向の投資家による金への投資が価格の上昇に影響を与えていると思われます。
ダイヤモンドへの投資需要は総需要の5%程度ですが、今後成長の可能性は非常に高いものがあります。
研磨済みダイヤモンドの価格は、銀、金、プラチナやその他いくつかの商品よりも価格が安定していますが、得られるリターンも低いのが現状です。
2009年からの価格の変動率を比較してみましょう。
価格の変動率は以下の通りです。
銀 33%
金 19%
Pt 13%
ダイヤモンド 12%
2009年からのダイヤモンド価格変動は12%で、銀はその2.8倍、1.6倍の金、1.1倍のプラチナとなりました。
ダイヤモンドは5%の年率で毎年価格が上昇していますし、特定の=希少脱脂やモンドなど=ダイヤモンドに関しては更に高い上昇率を示しています。これはその間のインフレ率2%を上回っています。それと同時にダイヤモンドの価格は金やプラチナなどに比して非常に安定しているのが特徴です。
2009年から2014年の収益率は次の通りです。
インフレ率 2%
Pt 10%
金 8%
ダイヤモンド 6%
これらのデータから分ることがあります。
1)ダイヤモンドの価格は金などの他の商品と比べて乱高下の幅が狭い、というか安定している。
2)価格は毎年確実に上昇している。
3)価格の上昇率は他のものと比較して低い。
つまり、安定して確実なリターンが得られるということになります。なをかつ、非常に美しく、希少なものであるという特徴を持っています。
では、ダイヤモンドは堅実な投資対象として十分な特質をもっているかというとそうも言えません。それは、
1)誰もが売買できる市場がないこと=流動性に乏しいこと
2)工業製品と違い同じものが存在しないこと
3)工業製品と違い品質が全て違うこと
4)誰もが納得できる評価のスタンダードの不統一
5)専門家でないと品質の評価が難しいこと
6)流通が複雑で価格が不透明であること
7)売買に手間と時間を要すること
などの問題があるからです。
次回このことも踏まえて更に投資ダイヤモンドについて検証していくことにします。
ダイヤモンド最新動向(2)~2013
(8) 研磨(Cut & Polishing)の地域別シェアとコスト(1カラット当たり)の状況
研磨シェア
2013年のダイヤモンドの原石研磨主要地域の状況は、前年に比して全体で4%の伸びを記録しました。しかしながらその内容を見てみると、インド以外のちいきの生産は軒並み前年を下回っています。
量においてもインドは世界全体の生産の50%以上をしめていて、今後も更に伸びて行くものと思われます。
研磨における地域別のシェアは、1位がインドで12%の伸び、2位が中国&南アフリカですが前年比の伸びはー6%、3位がアフリカ(Nambia & Botswana)でー12%の下落,そして4位がその他(ロシア、ベルギー、ニューヨーク、イスラエル)でー2%となっています。
グラフは地域別の研磨の伸長率(2012年比)を表したものです。
今やダイヤモンドの研磨・流通に関してインドはガリバーのよな巨大な存在であることが、改めて見てとれます。
研磨コストの比較
研磨コストにおいてもインドは圧倒的に勝っています。豊富な労働力と安いコストを活用して、世界のジュエリー用ファイヤモンドの生産において圧倒的なシェアを持っています。
グラフは地位k別の生産コストを比較したものです。
たとえばニューヨークでは、1カラット当たりの研磨(Cut & Polishing)にかかるコストは、
US$100~200ドル、単純平均して150ドルであることを表しています。
NewYorkやBelgiumのコストは非常に高くかつ生産量が低いのは、産出量が極めて少ない大粒で高品質のダイヤモンドの研磨をしている為です。
これらの原石を磨くには、熟練し、卓越した技術と豊富な経験が無ければ出来ないのです。
ロシアは世界一のダイヤモンド産出国ですが、研磨に関してはそのシェアは非常に低い位置を占めています。しかし、算出する高品質のダイヤモンドも磨いている関係でコストは高い部類に入ります。イスラエルは個品質から一般ジュエリー用のものまで幅広く研磨しています。次回はいよいよ投資用ダイヤモンドの動向などについての分析をアップロードします。
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