ファンシーカラーダイヤモンドの価格は、他のダイヤモンドの価格が混迷しているにもかかわらず、上昇しています。
5年ほど前にクラッシュがおきたこともあったが、カラーダイヤモンドの価格は長期的に見て非常に強いものがあります。
この様なことは今に始まったことではないし、現状は更に重大な変化を感じさせます。
なぜなら、限られた供給に対して多くの需要が殺到しているからなのです。
たとえば、ピンクダイヤモンドは1年前に比べて30近い上昇、
ファンシーヴィヴィッドイエローは35%、
少し低いグレード(品質)のものでも10%程度、ブルーに関しては35%も上昇しているのです。
たとえば、アーガイル、リオティントでは2.51カラットのファンシーディープピンクのダイヤモンドに200万ドル(US$)以上の価格がつきました。(日本円換算で1億1789万円)
1カラットあたり797000ドル(日本円@98円として、7800万円/カラット)ということです。
以前も少し触れましたが、アーガイルは世界のピンクダイヤモンドの90%以上を産出しています。しかし、これからの産出は限界に近づいています。新たな鉱脈が出ない限り、やがては枯渇することでしょう。
これらの希少性の高い美しいダイヤモンドは、勿論その希少性から、コレクションとして投資として、その価値を高めてきました。
近年では、 成長著しいアジア、東ヨーロッパや中東などのニューリッチと呼ばれる人たちの強い関心を得て、その価格はうなぎ昇りの勢いとなっています。
サザビーズやクリスティーズなどのオークションにおいても、これら希少ダイヤモンドを高額で競り落としているのは殆どがこの様な新興勢力の人たちです。
ホワイト系のダイヤモンドの価格は、D-カラー、FL=フローレス以外の品質の価格はこれらのブームに乗ることはありませんでした。
需要の低迷によりむしろ5%ほどの値下がりを記録しています。
だからと言って、ファンシーカラーダイヤモンドであればなんでも良い値段がつく、という訳でもありません。
7.59カラットのファンシーヴィヴィッドブルーのダイヤモンドは入札最低価格にすら届かず、落札されませんでした。無論GIAのダイヤモンドレポートが付いているものでした。
評価と実物の”落差”、言うならば、石に力が無かった=輝きや色の見え具合など=ということがその原因でした。
このように、ファンシーカラーダイヤモンドに限らず、ハイエンドのダイヤモンドというものは非常に
微妙なもので恣意的な要素も合わせ持ったものといえましょう。
フォーマルで透明性のある価格決定ルールの欠如などは、新参者や一般の方の前に大きな高い壁となって立ちはだかっています。
(それだけに、経験と深い知識、鑑識眼を持ったプロのコンサルタントの力が必要とされるのです。
オークションの価格が必ず正しい、ということは決してないのです。
世界に2つと無い、希少なダイヤモンドを適正な価格で購入する、そのことは海辺の砂の中から、
一粒のダイヤモンドを探すくらい難しい、といえるかもしれません。
私どもの存在意義はまさにここにあるのです。世界のコレクターや投資家の殆どはGemologisit
Consultantを評価し、活用しているのが現実なのです。 )
今後もファンシーカラーダイヤモンドの価格は強気に前向きに進んでいくことでしょう。
くどいようですが、その理由は、需要が供給を上回っているからです。限られた供給に増えるばかりの需要、これで価格が下がったらそれはおかしいのではないでしょうか?
そしてこのことはは投機ではなく 、消費者の強い需要があるからこそなのです。
消費者は、真に価値のある特別なもの=Somthing special=を捜し求めているのです。
安全で確実な投資としてコレクター、や鑑賞眼のある愛好家は今日も世界のマーケットを注視しているのです。
私が言うまでのことはありませんが、不確実性を増していくこれからの世界経済、国家体制を考えた時、それは決して他人事ではありませんね。
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